桜色の涙
そしてやって来たアイスクリーム屋さん。
最近できたと有名だったから俺も知ってはいたけど、まさかここまでとは。たくさんの人が並び店内も賑わっている。
回りには、大切な友達と好きな人。こんな人達に囲まれて過ごせるなんて幸せだよ。
「ん、美味しいっ」
「本当だ……!」
美味しそうに食べるみんなを見て自然と笑みが溢れる。
「園田くん、あたしに分けてくれたりは?」
「しねーよ、バカ」
隣には、なんだかんだで楽しそうにやり取りをするふたりもいる。
最初は迷惑そうな目で橋本さんを見ていた渚だけど、最近はけっこう心を開いているみたい。
「……良かった。迅くん、やっと笑ったね」
「え?」
やっと笑った?俺ってそんなに表情がわからなかったかな?