桜色の涙
どうすれば笑顔にできるかわからない。
星那ちゃんは自分の心に嘘をついてフタをしている。思い出さないように目を背けている。
でも、それだと俺達がいる意味がないんだよ。
彼女が背負っている気持ちを知った上でも、俺はその悲しみを一緒に抱えたい。
半分にすれば辛いことだって乗り越えられる。分け合えば軽くなるから。
ねぇ、好きだよ。隣で微笑む彼女に心の中でそう声をかける。
今は届かない、伝えてはいけない気持ち。もう後戻りはできないくらいに大きく膨らんでいる。
でもきっと苦しませるだけだよね。
だから。
────好きになってごめんね。