桜色の涙
「今度あの4人でまた集まれないかなって」
〈……あぁ、篠原?〉
平静を装って言ったつもりだったけど、電話でもお見通しらしい。痛いところをつかれ言葉が詰まる。
「まぁ、その……うん、心配で……」
もう。俺ってどれだけ星那ちゃんのことを考えれば気が済むんだろう。
1日に何回彼女を思い浮かべるかなんて数えきれない。
〈それなら自分で電話でもかけろ。俺は寝る〉
ぶっきらぼうな言葉。寝起きだからかいつにも増して不機嫌。
学校での渚ならもう少しトゲがないんだけど、俺が起こしたわけだし仕方ないかな。
「わ、わかった。わざわざごめん。じゃあね」
その言葉に返事はなかった。きっと既に夢の中だろう。渚はいつも寝不足です、って顔しているもんね。
ひとりで悶々と考えていると俺の体にいきなり振動が走る。