MANSLAUGHTER【沈詩】

#983  観覧車



幸せと云う名の観覧車に乗って

天辺まで登った

見渡す景色に浮かれて

窓を開けて大声ではしゃいだ


後は静かに堕ちるように

所詮は元に戻るだけ

そんなこと

すっかり忘れて

はしゃいでた





だから今度は本物の観覧車に乗って

天辺まで昇った

そこから飛び降りるほうがマシな気がしたから

最後に聞こえたのは

いったい誰の悲鳴だったのか

もうワカリはしないけど








あの日

僕は

鳥になんかなれなかった


それだけはワカルんだ







【#983  観覧車】
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