僕の恋人
その疑問が浮かんできた瞬間、崩れた美咲を思い出して吐き気を覚えた。


必死で呼吸を整え、吐き気を押し込める。


まさか、美咲はもうずっと前に殺されていた?


先生は死んだ美咲をこの冷凍庫の中で保管して……?


そこまで考えた時、玄関が開く音が聞こえてきてあたしの思考回路は遮断されてしまった。


「あれぇ? そのベッドが気になるの?」


先生の粘ついた声が聞こえて来る。


心臓が鋼のように打ち始める。


大丈夫、大丈夫。


だってあたしはみんなに今日ここへ来ることを伝えて来たんだから。


あたしが帰らなければ、きっとみんなが大人たちに伝えてくれるはずだ。

< 101 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop