僕の恋人
泣きながら、俺は事の経緯を書き連ねた。


これなら理解してもらえるはずだ。


俺がこんなことを書けば驚かれることは理解している。


この関係が崩壊するかもしれないとも、理解している。


だけど、やらなきゃならなかった。


ところが……。


「あら、大成ちゃん、グルグルが上手ね」


母親が俺の書いた文字を見てそう言ったのだ。


グルグル……?


俺はメモを確認した。


ちゃんと、美咲のことや由依の事が書かれている。


「まま……」


ブンブンと首をふり、俺はもう1度メモを母親に見せた。


未だ怒っている父親にも見せる。


しかし、2人ともいつもと同じ反応しかしない。
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