僕の恋人
それは美咲本人から聞いた話だった。


夜、リビングで両親がそんな話をしているところを偶然聞いてしまったそうだ。


美咲のお父さんはまだ再就職が見つかっておらず、お母さんがパートに出る事が決まっていたみたいだ。


「それじゃ美咲の家は今お金がないってことか」


京太が真剣な表情で言う。


友達の家庭状況を勝手に話すのは心苦しかったけれど、これで金銭目的の線は消えた。


あと残るのは……。


「美咲を狙ってたのかもしれないね」
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