僕の恋人
☆☆☆

最初、事件が起きた現場に行くことをためらっていたお母さんだけれど、千夏や大成にまでせがまれた結果、渋々承諾をしてくれた。


美咲がいなくなってから来ていなかった公園内は、どこか寒々しく感じられる。


今の時間帯は子供たちがいてもおかしくないのに、公園には誰の姿もなかった。


美咲の事件のことは周辺住民にも知れ渡っているのだろう。


今公園内にいるのはあたしたちだけだった。


「すぐに帰るわよ」


険しい表情でそう言うお母さんに「わかってる」と返事をして、美咲が座っていたベンチへと向かった。
< 70 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop