僕の恋人
あたしは大きく頷いた。


担任の相原先生はここ数日休んでいて、代理の先生が来ている。


代理の先生は相原先生の事を体調不良だと言っていたけれど、本当の所はわからない。


「相原先生が美咲の事を好きだなんて、わからないだろ?」


京太が言う。


「そうだけど、でも先生は車を持ってる」


あたしはそこに着目したんだ。


美咲が逃げられなかった理由はすぐに監禁されてしまったから


それはトイレなんて不確かな場所ではなく、車の中かもしれないと。


免許を持っている先生なら、美咲1人を呼び出して準備していた車に押し込めることもできる。


手足を縛り、口をガムテープなどでふさげばできることだ。


そして相原先生は何食わぬ顔をして公園に戻ってきて、美咲がいない事をみんなに告げる事なく、学園まで戻って来たのだ。
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