僕の恋人
腐敗~ボクサイド~
美咲と約束をしていた日曜日になった。


ボクも遠出をするのは久しぶりの事なので、服を選ぶのに1時間もかかってしまった。


何せ美咲を1人にはしておけないから、ほとんど外出をしていない。


もちろん服を買う事だってしてこなかった。


「今日は新しい服でも買おうかな」


ボクは美咲の外出準備を手伝ってやりながらそう言った。


「いいわね」


美咲も今日はいつもより楽しそうだ。


美咲のお気に入りのバッグを渡してやると、ニッコリとほほ笑んだ。


「ちょっと待てよ、車いすを持ってくるから」


中古で購入した車いすだ。


このアパートはバリアフリーではないけれど、ボクの部屋は一階で階段もないからどうにかなるだろう。
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