僕の恋人
ボクは美咲の体を抱きかかえた。


力のない美咲はダラリとした状態で車いすに座る。


「よし、行くか」


ボクは美咲に麦わら帽子を被せて玄関を開けた。


とてもいい天気だ。


夏の風に美咲の髪が揺れる。


玄関を出た先には5センチほどの段差がある。


ボクは慎重に車いすを押して段差へ向かう。
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