僕の恋人
だってボクは、美咲の次に由依の事がすきだったんだから。


美咲とは反対に明るくて社交的な由依。


だけど由依は美咲ととても仲が良くて、大人しい美咲の事をよく気にかけてくれていた。


それはボクにとってもとてもありがたいことだった。


ボクはこちらを見上げている由依を見おろした。


こうしてジッと見ていると本当に可愛らしい。


プックリとした唇に赤い頬。


今、少し涙目になってしまっているところなんて最高に愛らしい。


ボクは一瞬にして由依の虜になっていた。


あれほど愛していた美咲のことなんて頭の中から消え去ってしまった。


「ちょっと、待っててね」


ボクは由依の手足をしばりあげ、玄関を出た。


美咲をこのままにしておくわけにはいかない。


ボクはただの肉の塊になってしまった美咲を見おろした。


なんの感情も湧いてこない。


ボクは大きな黒いごみ袋に美咲の体を押し込み始めたのだった。
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