冴島神社の狐様
そんな事を考えていると、ふと誰かに肩を叩かれる。



「怜、こんなとこでどうした?」



その主は、怜がずっと待っていた宗雄だった。



彼の柔らかい笑みに、怜の心臓がトクン、と音を立てる。



「しゅうくん、今日ヒマかなーって。駅前のドーナツ屋さんに・・・・・・」



「あ、ごめん。俺今日用事ある」



宗雄はスマホを指で操作しながら、サラッと答える。



その反応に、怜は思わずため息をつきそうになる。



だが、心配させてはいけないと思い、慌てて口の中に押し戻す。



「そ、そうだよね!急に誘ってごめんね!バイバイ‼︎」



「おう、またな」



そして、歩きながらでもスマホから目を離さない、宗雄の背中を見送った。
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