夜空の星は月とともに瞬く
大好きだった奏真はもう名前では呼んでくれない。
いや、私の名前か、《裏切り者》が。
いつまでも返事をしないと、しびれを切らしたのか奏真が胸ぐらをつかんできた。
「裏切り者のクセに何無視してるんだよっつってんだろうが!いちいち気に触るんだよ!お前の態度が!イライラするんだよ!」
『…』
「なんとかいえや!」
京斗までもが参戦してくる。
『そうね…裏切り者だわ。私は…そんなに私のことが嫌いなんだったら、イライラするんだったら、私のこと見なければいいじゃないですか。私にかかわらなければいいじゃないですか。ねえ…沼尻さん。上賀茂さん。』
沼尻 奏真
上賀茂 京斗
二人の名前を呼ぶ時、もう既に私の中には恐怖など無かった。