夜空の星は月とともに瞬く
「そうだよ。」
「姫になってから知り合ったんですか?」
「…アイツが小さい頃からずっと一緒だよ。」
「小さい頃?」
「アイツさ、家族いねぇんだよ。」
「そうだったんすか…ずっと一緒にいたのに知らなかった。」
申し訳なさそうに顔を歪める奏真。
「オレ、近所に住んでたからよく遊び
に行ってたんだ。初めてあったのはさ、夜の公園で…危険だと思ったから声かけたんだ。《早くおうちに帰りな?》ってね。」
「そしたら…?」
「理帆に言われたんだよ。《私は帰る必要ない。おうちには誰もいない。》ってさ…さっきの、電話のトーンと同じような冷たく、感情の見えない声でな。救ってあげたいと思った。それから今まで、ずっと理帆の相談に乗ったり遊んだりしていた。」