夜空の星は月とともに瞬く
叫んだ悠哉に喝を入れる。
すると、効果音がつきそうな勢いでションボリした。
『聞いて。私はね、煌翔を愛してはいないわ。』
「!?」
『私は、仲間だと思っていたの。愛じゃない。信じていたの。』
「どういう意味?」
『私は、居場所が欲しかっただけ。その居場所が無くなったらどうしようってなって、必死だっただけ。結局、居場所はもう無いけどね。』
「居場所ならここに――――」
『あなた達がいままでのように私に接することが出来る?気を使ったり、ギクシャクするに決まってる。だから、全てを終わらせるの。あの日、終わらなかったこと。』
「終わらせるって何を!?」
『私は、どちらの姫にもなりません。ってこと。』
「あーあ。そんな事かぁ…せっかく理帆と毎日過ごせると思ってたのになぁ…」
残念そうに呟く要。
「じゃあどうするつもりなんだお前は。」
宗一郎が保護者らしく尋ねる。
『私は、静かに暮らしたいの。この世界から足を洗って、普通にいたいの。だから、もうみんなとは会わない。』
「でも、学校で会えるだろ?」
『…そうだね。会えるかもね。』
「かも?」
『とりあえず今日は終わりにしない? 私、疲れちゃったから。』
困った様に笑う理帆。
その様子を見て、みんなが病室から出る。
『明日退院なんだ。だから、明日来てもいないよ。』
最後に付け足すように言う理帆。
「じゃあ、学校で!!」
円香が涙を我慢して叫ぶ。
『うん。学校で。』
理帆は、儚い印象をもたらす笑顔と共にドアの向こうへと消えていった。