死にたがりのブルー
01.塗りつぶす、ホワイト
「……なに、やってるの」
みんなお待ちかねのお昼休み。
数学の教科担当である私、天野希帆(あまのきほ)。高校1年生の15歳。
先生に頼まれたノートを回収して、職員室まで届ける途中、通りかかった空き教室のドアが少しあいていて。
どうしてか気になって足を止めて、覗いてしまった。それがきっとそもそも間違いだった。
「うわ、希帆」
白昼堂々、上半身裸で面倒くさそうに眉間にシワを寄せる彼、村野瞬。
先月出来たばかりの、人生初カレシ。