死にたがりのブルー
不意打ちを食らって真っ赤になった顔を隠すように俯くと、ふわりと吹いた風に髪が揺れて。
「…夏の匂い」
ぽつりと呟いた早川くんの声が、どこか寂しそうに聞こえた。
「ねぇ、聞いていい?」
「うん?」
「部活、どうしてやめたの?」
やっぱり少し、気になってしまった。
「うーん、飽きたから?」
「あ、そうなんだ」
「なに、もっと重い理由だと思った?」
「正直、膝壊したとかだと思ってた」
「ふ、そのくらいじゃ辞めないって」
思いのほか軽めの答えが返ってきて拍子抜けしたと同時に、違和感を覚えた。