死にたがりのブルー
私の話も何も、こんな体制でできるかっ!!
「は、離してっ」
「なんで?彼氏彼女ならこのくらい当たり前じゃない?」
「でも、いきなりはびっくりするから!!」
「ふーん。じゃあ、いきなりじゃなきゃいいんだ?」
長い腕から解放された私は、未だ騒がしく鳴り続ける心臓を落ち着かせようと頑張っているというのに、そんなの早川くんにはお構い無しのよう。
「ほら、おいで?」
…訂正。
早川くんも瞬と同じように、女の子のツボを熟知しているようです。
今度はいきなりじゃないでしょ、と両腕を広げて待つ姿に逆らえるはずもなく、きゅん、と少女漫画ばりに音を立てた心臓を庇いながら再び大人しくその腕の中に収まる私、単純。
「希帆、誕生日は?」
「は、8月31日」
「はは、夏休み最終日じゃん。課題残してたら萎えるヤツ。じゃあ次、好きな食べ物」
「生クリーム系。クレープ、とか」
「まじ?俺逆に苦手なんだよね。今度クレープ食べに行った時生クリームのとこだけあげるよ。じゃあ次」
「…早川くんのことも、教えてよ」