死にたがりのブルー




私だって早川くんのこと基本データしか知らないのに、こんなの不公平だ。



じっと見上げると、形のいいアーモンドアイがにっと横に伸びる。






「いいよ。お互い一問一答してこうか」






本日は、晴天なり。




昨日と同じような気温で、昨日と同じような空模様。昨日と同じ場所、時間。




どん底だった昨日とほぼ同じ日なのに、どうしてこうも違うんだろう。





安全対策のために設けられたフェンスから下を覗けば、新緑の葉をつけた木々が風に揺れている。




緑が一枚ずつ散っていく様は、嫌いじゃない。



毎年同じように散って、また来年同じように葉をつけて散っていく。



それが当たり前で、ずっと続くんだと無意識のうちに信じていた。




いつ木が枯れても、いつ切られてもおかしくないというのに。




私たちは無意識に、疑うことなく信じている。




明日もきっと、きみとこうしているんだと。






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