死にたがりのブルー
メイクをしてコンプレックスをカバーしてみたって私は結局ただの量産型女子高生だ。
決して物語の主人公にはなれないような容姿、スペック、雰囲気。
そんな私の手を引いて主人公にしてくれる早川くんに、甘えるだけ甘えてみても、いいのかな。
「でもさぁ、希帆」
「うん?」
「絶対本気になっちゃ、駄目だよ」
黒いアイラインで囲まれた切れ長の瞳にまっすぐ見つめられ、背筋が伸びる。
「もしもの時、希帆が傷付くの見たくないからね、私」
舞の言うもしも、とは。
聞かなくても分かってる。今回の、瞬みたいなこと。
「今回は早川に感謝するしかないよね。そんなどん底状態の希帆の気を逸らしてくれて。でも、その加害者が早川になったとき、ね」