死にたがりのブルー

恋を忘れるには新しい恋だと、誰かが言っていた。




今、早川くんを恋愛対象として好きかと聞かれたら、首を縦に振るにはまだ躊躇いがあって。




ドキドキはするし、助けてくれて感謝もしてる。



でも瞬のことがあったばかりで、心が予防線を張っているような気がする。




でも、それでいいんだと思う。


それはきっと舞も同じ気持ちで、同じことを考えていて。





「…きっと早川くん以上の人なんて、そう簡単に見つからないもんね」




この数日間行動を共にしたくらいじゃ、二人きりで一問一答をしたくらいじゃお互いの全部を知れるわけがない。



でもね、何となく分かるんだ。





仕草から、言葉から、伝わる体温から。





早川くんが誠実で、優しい人だってこと。