・喫茶店『こもれび』
少し歩けば海にも出れるし、かなりイイ立地にお店があるんだよなぁ。
街路樹と、その先に見えているのはフラワーショップにバス停。
ジュエリーショップや雑貨屋なども目に入るし、もっと先にはオフィスビルが見えていた。
道路を行き交う自動車や、歩道を歩いている人も。
「もしかして、彼女は人間ウォッチングでもしていたのかな」なんて、色々と想像が膨らむ。
確かに、この席に座って外を眺めていたら。
自分の世界に浸ってしまいそうだな。
それにしても綺麗な人だった。
男なら、絶対に放っておけないタイプだよなぁ。
あれ?
この店の常連客ということは、三好さんと彼女は既に顔見知りってことだよね?
もしや、私が三好さんと出逢うより先に、三好さんと彼女は出逢っていた?
だとしたら、三好さんが彼女を気にかけているうちに、好きになっている可能性だってあるかもしれない。
「なら私、めっちゃ不利じゃん!」
どう見ても、あんなに素敵な人と張り合えるような女じゃないし。というより、それ以前の問題だよ。
見た目も行動も、彼女よりも私の方がはるかに「お子ちゃま」なんだから。
悪い方にばかり考え始めてしまうダメダメな自分の頭を、ぶんぶん左右に振り雑念を払う。