・喫茶店『こもれび』
「これからは、俊の分まで僕が真澄を守っていこうと思います」と三好さんと私を前に宣言した修さんに、またしても余計なことを口にしてしまった。
「修さんの気持ちは? 加納さんに伝えたんですか?」
そう言った私の隣りで「ホントに余計なお世話な話だな」とボソッと呟いたのは三好さんだ。
まったく反省してないな、とでも言いたげな呆れ顔で私を見降ろしている。
「だって……」
そこ重要でしょ。
私だって気になるしさ。
やっぱり聞いておきたいことなんだもん。
口を尖らす私を見上げていた加納さんが「プッ」と噴き出し、教えてくれた。
「修がね、私を元気にしてくれるんだって。毎日楽しく暮らせるようにしてくれるっていうの。私の前から、俊のように何も言わずに消えることは絶対に無いからって、約束してくれた」
「その言葉を信じようと思う」と微笑んだ加納さんは、幸せそうな笑顔を私に向けてくれたから。
加納さんを心配する必要はなくなったのだと確信した。
「修だって、俊を失ったことを悲しんでいたのに。私は気づくどころか、修に心配ばかりかけて支えてもらっていたのよね。だから、これからは修と二人で俊の分まで……ね」