・喫茶店『こもれび』


笑い方まで似ているなんて。
何処まで二人は同じなんだろう。

なんか、嫌だな。
こんなことにまで気づかされてしまうなんて。


「夏樹とはね、同じ大学だったの。あなたが疑っている通り、付き合ってたわ」


何処まで正直に話してくれてんのよー。
そりゃ、疑っていたというより。
三好さんが、あなたの飲み物の好みを把握している時点で、違和感覚えたし。
二人の会話を聞いてしまったから、恋人同士だったことは私の中で、既に確定付けられちゃってるよ。


「麻衣、余計なことは話さなくていいから」

「どうして? 余計なことじゃないでしょ。だって、彼女は知りたがっているんだから、教えてあげることに支障ないでしょ?」


そう言って「私ね、夏樹を迎えに来たの」と言葉を続けた。


「迎えに……って?」


彼女の言葉に、思わず三好さんを見つめてしまった。
けれど、三好さんは私から視線を逸らしていた。


当時、恋人同士だった二人は。
いつも仲が良く、お似合いの二人だと仲間内でも評判だったらしい。

「将来は結婚するだろう」とまで、お互いに思っていた二人なのに。
意外な話題から、仲違いをしていまったというのだ。

< 79 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop