雨降る午後に
ガチャリとドアがあく。
男の人がこちら側に出てくる。
「大丈夫か?宮下」
名前を呼ばれてびっくりして目を上げた。
目の前に春陽がいる。
なに?
春陽はわざわざ、直接ここまで降りてきてくれたの?
で、ここにいる。
あたしの方へ少し身を乗り出しているから、結構な近距離で。
驚いた表情。
こうしてまじかでまじまじと見ると、春陽って、けっこう整った顔立ちをしてる。
遠目から、関心なく見てるだけだったから気づかなかったな。
…で?大丈夫ってどういうことだ?
説明されるまでもなく、ふんわりしたものに包まれた。