副社長のイジワルな溺愛

【本題だけど、お誘いありがとう。深里さんから声かけてもらえると思ってなかったからびっくりしたよ。都合合わせて是非行きましょう。誰にも見つからないほうがいいだろうから、秘密のプロジェクトってことでよろしくね。それと、きっと当日は現地集合になるから、先に連絡先教えておきます】

 えぇっ!? 倉沢さんの連絡先……教えてもらえるなんて。
 早速、その下に記載されていた連絡先をメモして、携帯ケースの挿し込みに入れた。


【メールで連絡取るのもいいけど、次から私用の連絡は携帯にください。じゃあ、またね】


 またね、で終わるのも倉沢さんらしい。
 友達でもないのに、手を振ってくれているような……なんかそんな感じ。


 誘ってよかった。
 勇気を出して、一歩踏み出せてよかった。

 何をしてもきっと断られるからと、片想いでいいと思っていた私が別人みたいだ。


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