副社長のイジワルな溺愛

「君の方こそ、どうしてずっと気にしている? 銀座の店で俺が言ったことを覚えていて聞いているんだろ?」
「それは……副社長の心の中を覗けたらいいなって思うからです。印象と違ったからだと思うんですけど」
「そうか」

 答えをもらえぬままお酒が進み、いつの間にか彼がはぐらかすように話題を変えてしまった。
 お腹も満たされた頃には、酔いも回って……向かい側に座っている副社長が霞んで見えて――。






 心地良いやわらかさに横たわってとても安心している自分に気づき、目を開けた。


 大きな窓の外は、夜の空が広がっている。
 真っ白な天井と、艶のある白い大理石の床と……。


 ――って、ここ、どこ!?

 ハッとして上体を起こすと、昨日の服のまま。


 とても広いベッドの中、私の隣には副社長が横になっていて。



「……起きたか?」

 ぞくっとするほど色っぽい表情で私を見つめる彼は、持ち上げた頭の下に片腕を入れた。


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