副社長のイジワルな溺愛

「ここは……」
「俺の家だ。どれだけ食べて飲んでも構わないが、眠っていいとは言ってない」
「すみません!! すぐに失礼しますので!!」
「いい」

 ベッドから出ようとすると、彼の長い腕が私の手を引いた。


「……体調は悪くないか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」

 眠ってしまうほど飲んだのに、頭痛もしないし気分も悪くない。きっと質のいいものを食べたからだろう。


「そうか。じゃあ、まだいいよな?」
「っ!?」

 掴んでいた私の手を一層強く引いた彼は、突然私を抱きしめて腕の中に閉じ込めた。



 ――ドキ、ドキと聞こえるのは、私の鼓動の音?
 Yシャツ越しに彼の胸元に耳を寄せると、煙草の残り香を感じた。


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