副社長のイジワルな溺愛
「そもそも、君は俺をなんだと思っている?」
「副社長です」
「俺を男としてみたことはあるか?」
「……ないこともありませんが」
酔いつぶれた私と介抱して自宅で休ませてくれた彼が、ひとつのベッドで身を寄せ合い、彼は私を腕の中に閉じ込めていて……。
意識したら、猛スピードで心臓が飛び跳ねだした。
「何とも思っていない女に優しくしたりしないよ、俺は」
彼の声が聞こえなくなりそうなほど、鼓動がうるさい。胸の奥が痛くなるほど内側から叩かれて、思わず彼の顔を見上げる。
「……っ!!」
魅惑的な瞳で、腕の中にいる私を見つめている彼と思い切り目が合ってしまった。