副社長のイジワルな溺愛
「明日はどこに行きたい?」
「えっ、明日ですか!? 明日も副社長と……?」
「君が返事をくれるまで、毎晩誘うつもりだが」
「ええっ!?」
会社では見せないやわらかで温かい微笑みを向けてきた彼は、窓枠に肘を突いて見つめてくる。
「言っただろう? たった一人を愛するって」
「…………」
改めて言われると、途端に頬が焼けるように熱くなる。
思い出すだけでドキドキする距離と、ついさっきのキスですぐに鼓動が急く。
まだ彼のことが好きかどうかわからないから、誘いを受けていいのか迷う。
もし、私が彼を振ったら……それまでの日々を彼はどう思うだろう。
「その気が一パーセントもないなら、断ってくれて構わない」
「そうじゃないんですけど……」
副社長をどれくらい好きかなんて、考えたこともなかった。
思っていたより優しくて、微笑みは温かくて……キスが忘れられなくて。
今は、それしかわからないから、返事が曖昧になる。