副社長のイジワルな溺愛
無自覚小悪魔な彼女のしつけ方 -御門ver -
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年度初めの四月。
水曜午前、会議終わり。
【会いたい】とメッセージを送っておいたら、昼休み中の彼女が【会いにいってもいいですか?】と返事をくれた。
大阪へ泊まりがけの出張をしていたせいで茉夏不足だったから、返信に迷いはなかった。
「慧さんっ!」
五日ぶりに会った彼女が副社長室に入るなり抱きついてきて、愛しさがこみ上げる。
「何事もなかったか?」
「はい」
「そうか、よかった」
連絡は取り合っていたけど、彼女の口から無事を聞かないと気が済まない。
笑顔で俺を見上げてくる茉夏の唇に視線を移し、ゆっくり顔を傾けてキスをした。
やわらかくて、ちょっとぽってりした彼女の唇は、食べても食べても欲しくなる。
苦しそうに眉間に皺を寄せるその表情が、俺を一層駆り立てた。