副社長のイジワルな溺愛
真っ白で大きなバスタオルを身体に巻いたところで、突然洗面室の戸が開けられた。
「ごめん。俺も入るわ」
「うん」
私を気にせず、一糸纏わぬ姿になった彼は、勢いよく浴室に入ってシャワーを浴び始めた。
ふうっと大きくついた彼の息遣いが聞こえて、私を守ってくれていたんだと改めて思う。
間違いなく彼だって寒かったはずなのに、そんなことはひと言もこぼさずに、私を少しでも温めようとしてくれていた。
――慧さんが大好き。
会社では、人を寄せ付けない冷徹な表情と物言いをするけれど、本当はすごく心の温かい人。
それに、私だけに特別見せてくれる甘い微笑みや、夜の顔が愛しい。
いたずらとサプライズを仕掛けるのが好きなところも意外だったし、プライベートではたくさん笑ってくれるって知った。
もっと、ずっと一緒にいたいなぁ。