副社長のイジワルな溺愛
「明日から何しようか」
「そっか! 慧さんもお休みに入ったんですよね。うーん、どこに行こうかなぁ」
水族館デートもしてみたいし、晴れた日に広い公園でピクニックもしてみたいなぁ。
レンタサイクルで街を走るのも気持ちよさそうだし、彼の運転でどこかに遠出もしてみたいし……。
一緒に料理をしても楽しそうだなぁ。
「っ、ちょっとやだっ!!」
考えている私を不意を突いて、彼が白い歯を見せて笑いながらくすぐってきた。
私の弱いところを知っている彼の手は、いくら身を捩って逃げても許してくれなくて。
「もう、無理っ!!」
彼の両手を掴んで抵抗したら、勢いよく押し倒されて彼を真上に迎える。
既に熱量のある瞳に射抜かれて、大きく鼓動が弾みだす。
「お前が可愛すぎるせいで、俺が今日どれだけ妬いたと思ってる?」
「そんなの、慧さんも同じでしょ?」
「俺はいいの」
「ずるい……っ!!」
唇を塞がれて何も言い返せなくなると、Yシャツのボタンがひとつずつ外された。
「出かける前から、ずっと抱きたくてたまらなかった」
耳元で囁く彼の熱い吐息で、私はそっとまぶたを閉じた。
― fin ―