副社長のイジワルな溺愛
「コーヒー、飲めるか?」
「はい……」
「ミルクと砂糖は好きなだけどうぞ」
「はい……」
立ったままでいる私に、副社長は苦笑して近づき、肩に触れてソファへと導いた。
「そんなに緊張するなんて、本当に男がいたことあるのか?」
「高校の時に……っ!!」
つい漏らしてしまった過去に、言った私自身が驚いた。
「高校生以来の恋か。それは緊張もするだろうし、頑張りたくもなるだろうな」
「……すみません。今のは忘れてください」
「忘れないよ。それだけ深里さんがピュアってことだからな」
「ぴゅ、ピュア……」
副社長といると、不意を突かれたり予想もしなかったことばかり。
それに、私がピュアだなんて考えたこともなかった。