副社長のイジワルな溺愛
好きな人と冷たい人

 新しい週が始まった。月曜はいつでも気分を一新して通勤しているけど、今日の私は一味違う。


「深里さん!?」
「おはようございます」
「別人みたい……」
「そんなに違いますか?」

 今朝も比較的早めに出勤して自席に座っていると、香川さんが出勤するなり私を見て驚いている。

 副社長のアドバイス通り、ヘアサロンに行って、人生初のゆるふわパーマをかけたもらってきたのだ。私の変わりぶりに、担当してくれている美容師さんもびっくりしていたくらいだから、きっと同僚はもっと驚いただろう。


「なんか、ものすごくかわいい感じになったね」
「そうかな?」
「うん、似合ってていいと思うよ」

 倉沢さんは、またかわいいって言ってくれるかな。


< 91 / 386 >

この作品をシェア

pagetop