深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
勢いがついたのか、ばふっと
布団が音を立てる。
「私を除け者にするなんていい度胸ね!」
莉香は鬼の形相でそう言うと
私と柚姫の上に乗り、
もみくちゃにし始めた。
疲れた体に笑い声と布団の感触が心地よくて、私達は3人で1つのベットの上で
はしゃぎあった。
幸せに包まれながら、私は思ったんだ。
もし呪いに巻き込まれてなかったら…
もし私達の身に命の危険がなかったら…
こんな風に久しぶりに莉香と
はしゃげたり。
こんな風に柚姫と初めて大声で笑いあったりしなかったんだろうな……。
なんて、思ってしまったのは
2人には内緒だ。
こんな命が危険にさらされてる中
気が狂いそうな恐怖を
きっと皆本当は感じているんだろう。
1人じゃなくてよかった。
1人だったらなにも出来ずただ
怯えるだけだった。
友達が一緒で、笑い合えるなんて。
本当に本当に
私達ならきっと誰も死なずに呪いを解けるはず。
今日数回目の言葉を自分に語った。
ひとしきり暴れ回った後、
息を切らしてぽつりと莉香が呟いた。
「零時を過ぎても……生きてられるわよね」