深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
…さっきまでの笑い声が、
止んだ。
「…や、やだ。やめてよね」
私は笑って取り繕うけど
莉香は厳しい表情のままで。
柚姫もびくっと肩を跳ねさせ、
黙り込んでしまった。
カチ、コチと
部屋の壁に掛けられた大きな時計だけが
音を立てていた。
「ううん。なんでもないわ…
“明日”皆でまた呪いについて調べましょう」
莉香はそう口にすると
くるりとベットの端っこで丸くなり
後ろを向いてしまった。
「…澪夜ちゃん…
呪いになんて負けないからね、私…」
柚姫は涙目でそう呟くと
私に抱きついてきた。
「…っ……」
柚姫の思いが痛い程に伝わってきて
私はその頭を撫でながら
大丈夫、大丈夫と柚姫に囁く。
「……怖い…怖いよ、澪夜ちゃん……」
それを引き金にしたかのように
柚姫の口から嗚咽が漏れ出す。
背を向けてる莉香の背中も震えていて。
必死に涙を見せまいと
後ろを向いているのだとすぐにわかった。
「大丈夫…大丈夫だよ、柚姫も梨花も
絶対に死なせない。死なせないから…」