深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
呪いを解く力なんてないし
霊感もない。
そんな無力な私は
ただ目の前の柚姫に慰めの言葉を
かけることしか出来なくて。
そんな自分がとてつもなく嫌だった。
「あり、がとぉ……」
なのに柚姫は私の頼りない言葉に
感動したのか
涙が大粒になりぼろぼろと零れた。
柚姫の涙が私の着替えたパジャマを
濡らしていく。
そんな儚げな可愛い柚姫の
泣き顔を見て
耐えきれなくてぎゅっと強く
その体を抱きしめた。
「生き残ろう……柚姫……莉香」
胸の内から熱いものが溢れだし、
涙となり、言葉となり
私の口と目からとめどなく零れ出た。
「うん……っ」
「えぇ……」
しゃくりあげながら柚姫が
必死に笑顔を作り、
莉香は涙でぐちゃぐちゃの顔で振り向いて。
私は泣き笑いの表情で
そう言ったんだ。
弱い弱い私達は
3人で涙を流した。
溜め込んでいた不安、恐怖を
全て涙にして流しきった。