深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
厚みのある肉塊…
血塗れの制服の胸ポケットには
銀色のネームプレートがついていて、血を浴びて色濃くなっていた。
そこには《水乃》と書かれていて。
やっぱりコレは間違いなんかじゃなくて
本当に柚姫なんだと
思い知り、吐き気がこみ上げる。
「……うぅ……」
涙で狭まる視界にしっかりと
映る惨劇に朝ごはんも食べずに
飛び出したはずなのに
その場に勢いよく戻してしまった。
それを見た莉香が私の背中をさすってくれたのがわかる。
もう見たくない。見たくない。見たくない。
目を開けているのがもう辛くて
瞼を閉じるけど
その裏には撒き散っている臓物やら
肉やらと首と胴体と……
離れてくれない柚姫の姿。
吐瀉物でまだ気持ち悪い胸は
張り裂けそうに痛かった。
柚姫…柚姫……
首の取れた柚姫の歪んだ顔が
友達なのに怖くて仕方ない。
この目を開けたくないと
思ってしまう自分に腹が立った。