深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「……警察です!誰かいるんですか!?」
涙に濡れて熱い頬に
外から流れた風が当たる。
その原因は背後からかかった
男の人…警察の声だった。
何事かと目を開けてしまい、また
目に入る肉片の数々。
再び小さく悲鳴をあげる自分が
情けなかった。
「君達、こんな朝早くにここでなにを
………うわっ!?」
その声に涙ながらに後ろを振り返ると
数人の警察官が私達の大絶叫が
届いたのかやってきて
私達の視線の先を見て
大声をあげた。
目をそらして下を向いて唇を噛み締める。
それでも視線の端っこには
広範囲に散らばった四肢を映してしまった。
今まで柚姫が使ってきた足や手や首や体が
ばらばらに引きちぎれて乱雑に
散りばめられている様子に
警察の人も真っ青を通り越して
白い顔をして何やら誰かに電話をしていた。
「…君達は後で事情聴取をするので
トンネルの外に一旦出て待ってなさい!」
動揺しながら
若い男の警察官がそう促すと
恢斗が一目散に歩き出した。
智弘も柚姫だったモノに向かって
手を合わせた後それに続く。
「…澪夜…いこ、う…」