深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
そう言って莉香はパジャマの裾で
乱暴に涙を拭うと
私の手を力強く引っ張り無理矢理
トンネルから……柚姫から
遠ざけようとする。
莉香の顔はひどく辛そうで本当は
こんな姿になってしまっても柚姫の傍に
いてあげたいのだとすぐにわかった。
バラバラの柚姫がどんどん遠くなっていく。
柚姫との思い出も…柚姫と笑いあった日々も
全てが遠くなっていくような気がして…
「……やっ……やだぁ……はな、して…」
涙でぼやける視界の中弱々しく
莉香に抵抗するけど
莉香は口を一直線に結んで
ぐいぐいと引っ張っていく。
「…やだよぉっ……まだ、柚姫にさよならって言ってないっ…まだ、まだ……!」
子供みたいにぼろぼろ泣きながら
莉香の手を解こうと暴れる私に
莉香はなにも言ってくれない。
警察官の人達が柚姫を覗き込んで
顔を顰めてるのが見える。
…やめて……
柚姫をそんな目で、そんな顔で
見ないで……!
柚姫が汚物のように扱われているようで
怒りと悲しみが止まらない。
行かないで……
「柚姫ぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」