深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
最後に大好きな友達の名前を
呼んで私は莉香に引きずられるようにして
そのトンネルを出た。
一昨日見た時は明るく感じた空も
今ではもう朝なのに明るく見えなかった。
叶うなら、もう1度……
もう1度話したい。
笑顔で澪夜ちゃんって名前を呼んでほしい。
「……遅かったですね」
光が差し込む中、恢斗が出てすぐの所に
腕を組みながら立っていた。
その少し遠くには智弘が沈痛な面持ちで
近くの木々の前にあるベンチに
座り込んでいる。
「……っ……柚姫……」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら
トンネルを振り返る。
今頃柚姫はどうなったのだろう。
「……それより、呪いの事で詳しく
話しましょう。呪いを解くために……」
え?それよりって今、言った?
恢斗の言葉が信じられなかった。
それよりって……友達が目の前で
あんな姿で死んだのに……?
呪いのせいで、死んだのに……!?
恢斗にとっては、それより……?
「……それよりってなに!?
柚姫が…友達が死んだんだよ!?悲しくないの!?それに、次は私達なんだよ!?なんでそんな……!」