深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~


大切な友達を3人も失って
ぼろぼろの私達だけど


だからこそ
このまま皆呪い殺される、なんて……


そんなの絶対に嫌。


先に歩き始めた恢斗に追いつくようにして
私と莉香と智弘はその横に並ぶ。


後ろはもう、振り返らない。


呪いが私達の親の復讐をするために
私達に降りかかっているなら


その負の連鎖をここで断ち切ってやろう。


思い出さないように
後悔しないように


必死に抗って3人の分まで生きたい。


「…恢斗もそんな思い抱えてたんだな…
お前のせいで、とか気にしてねーのによ
意外と可愛いとこあるな」


茶化す智弘に恢斗が
不愉快そうに吐き捨てる。


「なんの事ですか?」


けらけらと皆で笑い出して
わざと明るい話をしながら


公園へと足を運ぶ。


そんな私達の後ろ姿を


強くなっていく日差しと
蝉の声と
青空が見送っている。


そしてトンネルの真ん中に
真っ赤な服を着た女の子が


私達の遠ざかっていく後ろ姿を
強く強く睨みつけていた。


『あと……4人』


女の子の地よりも低いような声は
笑い合う私達には
届かなかった……


2000/8/4 5:23

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