深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「恥ずかしい」
「…俺もだよ」
こんな数センチの距離に智弘の顔があるなんて…
絶対寝れない。そう思っていた。
でも電気を消して当たりが闇に包まれると
少しずつ瞼は落ちていって。
「おやすみ…澪夜」
なんて愛おしそうな低い声で
抱きしめられながらそんなことを言われたら
そのあたたかさに安心して。
智弘の両腕に抱かれ、頭を撫でられながら
明日への決意を胸に
私は幸せの中少しずつまどろみへと
落ちていった。
呪いに巻き込まれている最中とは思えない程
幸せな、本当に幸せな夜だった。
数分後
眠りに落ちて寝息をたてる私に
智弘は眠る私を撫でる手と抱きしめる手を
止めることはなく
私を見つめて
「ぜってぇお前は死なせねぇから…」
囁きながらそっと
キスをプレゼントしてくれた。