深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「あぅ……本当に寝顔見てたのは
変な意味じゃないから……!!」
「別に気にしてねーよ。…なんなら
俺だった見たぜ?じーーーっとな」
「へぁっ!?」
「可愛かった」
にんまりと笑う智弘に
ぷすぷすと焦げそうなほど恥ずかしがる私。
「さて……と。飯にするか」
そんな私を尻目に智弘は
いつ買ったのやら
コンビニのレジ袋を鞄から取り出し
中に入っていた物をひっくり返した。
「そ…それどこで?」
「昨日澪夜の家に行く前。
ほらよ…っと!」
私の質問に答えるや否や
おにぎりを手に取り
満面の笑みで私に向かって投げて渡した。
見慣れたデザインのパッケージの文字は
「ツナ」だった。
生憎あんまり好きではない。
「ツナ……嫌い。明太子がいい」
「わがまますぎかよ。しょーがねーな
俺ツナが好き。交換な」
冗談で言ったつもりだったのに
智弘は優しく笑って自分の持っている
明太子のおにぎりと私のを交換してくれる。