深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「怖いか?」
「…そりゃあ、ね」
堂々と強気で答えたけれど
私の両手はじっとりと汗ばみ
小刻みに震えているし
声の震えを抑えるのも
一苦労だった。
「大丈夫だ。誰も死なせねぇよ…もう」
…でも智弘はそんな私の強がりな化けの皮を
あっさりと剥がしてしまった。
智弘はそういった少しの私の動揺や不安も
わかってしまう。
自然に私の腰に手を回し
智弘の胸の中に私をすぽっと入れると
優しくそう言いながら
ぎゅっと抱きしめてくれた。
「ん、ありがと……」
恥ずかしさに少し身じろぎしながら
その智弘の温もりに安心を覚えていた。
あ……
あれだけ情けなく震えていた手が
ぴたっと震えが止まり恐怖が
薄れていった。