深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
女の子はその傷を見て
またひとつ大きなため息をつく。
「あっ…そろそろ塾だ」
時間を確認した
女子高生は携帯を制服のポケットに
突っ込むと
校門から急ぎ足で立ち去ろうとした。
そこに男の人が声をかける。
「あ、待って。君……ちょっといいかな?」
「…はい?」
女子高生は声をかけられ
その足を止め
声をかけた人物に返事をした。
20代くらいの男の人。
スーツを着ている。仕事帰りだろうか。
男の人が声をかけた理由は女子高生ではなく
先程女子高生が手にしていたスマホだった。
「今…なんのサイト見てたのかな?」
「あっ、聞こえてました?
ごめんなさい。あたし、独り言多くて」
「それは気にしないで。それより
さっきのサイト、見せてくれないかな?」
女子高生は不思議そうに
男の人を見た。
男の人は真剣な眼差しで
女子高生にそう言った。
「別にいいですけど……
変なとこ押さないでくださいね」
女子高生は渋々携帯を出し
男の人に手渡した。
男の人は「ありがとう」とお礼を言うと
サイトを読み始める。
しばらくすると
男の人の顔はどんどん険しくなっていった。
「…どうかしましたか?」