深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「お前の努力…絶対無駄にはしないからな。
今度こそ、必ず解いて見せる」
男の人はそう言うと
歩き始めた。
迷いもなく、一直線に。
そんな男の人の後ろ姿を赤いワンピースを着た女の子が見送っていた。
女の子は悲しそうに涙を流している。
その姿は透けていて
道行く人々の目には見えないようだった。
切なそうに女の子は
男の人の後ろ姿が消えるまで見守り
『ごめんね……………………………
……智弘』
そう言うと浮遊して
空を飛び始めた。
女の子の周りには黒いもやが
取り巻いていて女の子に声をかける。
『……オマエノシメイヲワスレルナ
…ツギノワタシノドレイハオマエダカラナ』
『………』
女の子はそれには答えず
苦しそうな顔をしたまま
そっと、消えていった。
死は、連鎖する。
辛い思いをした人は誰かに怨念として
取り憑き復讐させる。
この女の子もまた、怨念に
縛られていたのであった。
ーーーーー負の連鎖は、おわらない。
<END>