『好き』を伝えたい
「未来ちゃん、今夜予定ある?あっ、あってもキャンセルしてね?」

そう言ってくれたのは、仲良くしていただいた山下さん。
櫻井主任と同期で、頼れるお姉さんって感じで、仕事もそれ以外でもよく面倒をみてくれていた。

「予定…はないですけど、えっと」

「送別会!やるわよ!未来ちゃんの!」

「えっ?そんな…いいです!山下さん、旦那様が…」

山下さんは新婚さんだ。たまに旦那様が出張、て時に飲みに誘ってもらっていた。

「いいの、いいの!今日は未来ちゃんが大事な日!旦那にはちゃんとそう言ってきたから大丈夫よ」

私が大事な日、だなんて。山下さん、どこまで優しいの?

「…ありがとうございます、ホント嬉しいです…」

泣きそうになりながらお礼をつたえた。

「まだ泣くなよ~。とりあえずメンバーは、高田くんに、中尾くん、あと、三島ちゃん。」

高田さんと中尾さんは、私がよく資料作成を頼まれた方達だ。三島さんは、私と同じくアシスタントをしていた。みんなでの飲み会を何度かしたことがあった。

「あっ、あと櫻井くんも来るって言ってたから。」
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